J-CAT

コンピュータによる日本語学習者のインターネット日本語能力自動判定テストであるJ-CATは2020年4月から新体制となって、一般社団法人日本語教育支援協会が主催しています。


J-CAT(Japanese computerized adaptive test)は一般的な日本語能力を測るテストです。コンピュータとインターネットを使って行います。J-CATは、2020年4月1日より、有料の試験になりました。アダプティブテストを使っており、受験者の能力によって出題される問題が変化します。それぞれの受験者は異なった問題を解くことになりますが、点数は項目応答理論という方法によって保証されます。J-CATを実施するには、PCまたはタブレットとインターネットが使える教室等が必要です。個人での受験はできません。

J-CATのHPはコチラ

https://j-cat.jalesa.org/

推薦の言葉

 世界との間のヒト・モノ・カネ・情報の流れを拡大する「グローバル戦略」が展開されています。それにともなって、国境を越えた大学間学術協定の締結や学生交流企画が増加し、母国で日本文化や日本語を学んでいる学生が、さらに高度で専門的な知識や能力を獲得するために、日本への留学を志しています。

 学生を受け入れる側は、多様な日本語能力を有する学生を対象にプレースメント・テストをはじめ、学習の節目で様々なテストを実施し、テスト結果から得られる情報に基づいて教育的判定や判断を行っています。日本語教師にとってテスト開発は膨大な労力と知力を投入することになります。にもかかわらず、作成されたテストは、実施の前後に各項目の特性、すなわち項目困難度や項目弁別力などを十分に検証することなく単体で存在し、テスト全体としてみても、信頼性や妥当性が問われることはほとんどなく、テスト問題は一度限りの使い捨てという現状があります。

 J-CATは、このような状況を打破するために、テストの問題をコンピュータ上で提示し、受験者の反応によって瞬時に適切なものを出題する、日本語テスト界では初めて開発され実用化された日本語適応型テストです。日本語教師によるテスト採点や集計の必要はなく、どこでもいつでも受験でき、テスト結果も瞬時に得られるというメリットを有しています。グローバル社会は、私たちにスピード感を求めてきます。その点で、J-CATは教育のグローバル化の中で信頼性と妥当性、そして実用性に優れた特性を持ったテストと言えるでしょう。これまでに多くの教育関係者が利用しその良さを認めています。私自身も日本語テストの一つとして、さらに多くの方々に利用され、グローバル社会における外国語能力評価の世界で大きく飛躍してくれることを願っています。

国際教養大学 専門職大学院教授
JaLESA顧問
伊 東 祐 郎